色によって重さの感じ方が変わる?~GANTS玉の狙い~
- 色を見ると人の心に影響があるの?
- 色によって重く感じたり軽く感じたりするって本当?
こんな疑問に、色彩ヲタクの猫仮面が答えていきます。
この世界にはとにかく沢山に色がありますが、その色によって人は元気になったり、落ち着ついたり、興奮したり、様々な影響を受けます。
これを色彩の心理効果と言います。
これは決してスピリチュアルなものではなくて、科学的に証明された法則なんですね。
なのでこの色彩の心理効果を活用すれば人に与える印象をコントロールすることができるため、日常生活だけではなくエンターテイメントの分野でも当たり前のように使われています。
今回は物の重さの印象「重い色、軽い色」をご紹介します。
もくじ
本当の重さとは関係なく、そう見えてしまう
今回のテーマは「重さ」なんですが、これはその物の本当の重さ(何キロとか何グラムとか)とは関係がありません。
その物の表面の色によって、心が勝手に
- 重く感じる
- 軽く感じる
現象のことを指しています。
重さをコントロールするのは色の明るさ
どんな色を見ると重いと感じて、どんな色を見ると軽いと感じるんでしょうか。
これにはハッキリとした法則があります。
重さをコントロールするのは明度、つまり色の明るさなんです。
基本的には明るい色ほど軽く見え、暗い色ほど重たく見えます。
重厚感という単語から連想する
重厚感という言葉を聞いて、どんなものを想像しますか?
高級そうなアイテムや、重そうな扉などなど、人によっていろいろなものを思い浮かべる思いますが、その多くが比較的、暗い色合いではないでしょうか。
逆に重厚感と聞いて真っ白な何かを想像する人はあまりいないはずです。
こんな感じで、私たちは知らず知らずのうちに重さに関するイメージを持っているんですね~
こんな風に応用される「GANTS」
『GANTS(ガンツ)』という漫画を知っていますか?アニメ化、実写映画化、フル3DCGアニメ化もされた、奥浩哉先生原作の作品です。
実写映画では二宮和也さんが主演でしたね。個人的にニノのシリアスな演技が好きd(強制終了
GANTSという作品の中で最も印象的な物と言えば『GANTS玉』と呼ばれる、直径1mの真っ黒な球体。
このGANTS玉がマンションの一室にある様がものすごく異様で「これから何が起こるんだろう」という不安や恐怖を覚えるのと同時に、作品に対する期待が高まるわけです。
物語が進んでいくとこの球体の中から武器が出てきたり、表面に文字が表示されたり、物語の中で重要な役割を担っているんですが、最初は見た目の印象が情報の100%を占めることは言うまでもありません。
黒は全ての色の中で最も暗い色 = 最も重く見える色 ですから、「直径1mの真っ黒な球体」をパッと見て、軽そうだと思う人はまずいないはずです。
例えばあの球体が全然違う色だったら、作品から受ける印象もかなり違ったでしょうね
黒という色を戦闘スーツ(GANTSスーツ)にも使用することで画面に多く配置、作品全体に重厚感を与えていました。色使いで重さのコントロールをしていた代表的な作品だと思います。
今日の色彩知識まとめ
- 多くの人がある色から共通して受ける印象のことを色彩の心理効果と呼ぶ
- 色彩の心理効果を使って物の重さ・軽さをコントロールすることもできる
- 重さの印象は主に色の明度(明るさ)によって左右される
- 色が明るいほど軽く見え、暗いほど重く見える ※ただし真っ白より少し柔らかい、クリーム色っぽい方軽く見えるよ
- この重さの表現を上手く使って作られている作品もある(GANTSの例)
今回はGANTSを例にとって重さの表現についてお話ししましたが、エンターテイメントにはこうやって色の基礎知識が生かされていることが沢山あるんですよね。
他の記事でもエンターテイメントを見るときに活きる色彩知識について解説しているので、是非 作品を楽しむための武器を身につけていただけたらと思います。
それではまた!
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