【オリンピック】金・銀・銅はあの色がピッカピカになった姿だった!
こんにちは!色彩ヲタクの猫仮面です。
今や日本のデリケートゾーン、オリンピック。
オリンピックと言えば金・銀・銅の輝くメダルをイメージされる方も多いでしょう。
実はその金・銀・銅、厳密に言うと3つとも色ではありません。どういうこと?って感じですが、これは色の見え方の仕組みと深い関わりがあります。
1級色彩コーディネーターの猫仮面が、色彩学の観点から解説していきます。
1位から3位までが金・銀・銅メダルになった、順番の秘密についても解説していきますよ!
あ、そうそう。
ちなみに私も持っているんですよ、メダル。
まぁ中学生の時に貰った今にも剥がれそうなメッキのメダルですが…いいんです。何故って金属アレルギーですから。むしろ牛乳キャップで充分です。恐縮です。
もくじ
そもそもどうして色が見えるのか
色というのは日常の中に当たり前に存在するものですが、そもそもどうして色が見えるのか考えたことはありますか?
色を見るためには以下の要素が3つ必要です。
- 物体
- 光
- 目
具体的には光が対象となる物に反射し、目の中の細胞が脳に情報を送ることで色が見えています。
そのため
- 物体が反射できる色の種類、物体のザラつきなどの状態
- 光に含まれる成分や強さ(例えば太陽光は全ての色の成分を含んでいて、真っ赤な照明は赤の成分だけでできている)
- 目の中の細胞(視細胞 しさいぼう)の働き方
によって、色の見え方が違ってきます。
金・銀・銅という色の正体
私たちは金・銀・銅を当たり前に「色」だと思っていますが、厳密に言うとちょっと違います。
さきほど色が見える原理の中に物体のザラつきなどの状態が最終的な感じ方に影響を及ぼす話をしました。
これがまさに金・銀・銅の正体。
金・銀・銅はそれぞれ、黄色・灰色・茶色がキラッキラに反射した姿なんです。
考えてみれば金色は『黄金』とも呼ばれていて、そもそも黄色がベースであることがわかります。
黄金つったら“富の象徴”!キラキラするだけでめっちゃありがたい物なのよね~。
銀は多くの金属と同様に灰色がベースですが、光の反射率が高いため特に優れた輝きを放ちます。
どうして金・銀・銅なの?
今や世界中の人が当たり前に「金が1等賞!」と認識していますが、豊富にある輝く物質の中でなぜ金・銀・銅が選ばれたんでしょうか。
そして、それぞれ1・2・3位に決まったのはどうしてなんでしょうか。
出逢いは紀元前、自然の中にあったもの
人類は紀元前数千年前に金・銀・銅に出会っているそうで、いずれも古代です。
鉄やアルミなど鉱石の錬成技術を必要とする金属と違い、自然金、自然銀、自然銅として地球上に存在するためと思われます。
簡単に言うと探すところを探せば落っこちてるわけです。
加工のしやすさ
とはいえメダルの形で落っこちているわけではありません。
それを装飾品などに加工する扱いやすさも重要になってきます。ドロドロと溶かしたり、叩いて変形させて形を作ったり…。
細かい事はすっ飛ばしますが、金・銀・銅は溶け出す温度や構造、延びやすさ等の点で加工がしやすい金属なんです。
希少性
先ほど「錬成技術を必要としないからそこらへんに落っこちてたんですよ」とご説明しましたが、もちろんそれぞれ見つかりやすさが違います。
地殻濃度と言って何がどのくらい地殻に含まれるのかの値である ppm(parts per million)で見てみると
- 金が 0.0011ppm
- 銀が 0.07ppm
- 銅が 55ppm
数学弱いんで私はこの辺で頭がこんがらがってきました…えへへへへへ
まぁ要するに←
地上での存在比からいえば
- 金は銀のほぼ100倍貴重
- 銀は銅の100倍貴重
ということです。
理数系の方に怒られるレベルで超ザックリ
私を含めた庶民に身近な金属と比べるとこんな感じ。
- アルミニウム 8万2000ppm
- 鉄 4万1000ppm
- 金 0.0011ppm
こう並べてみると「なんかめちゃくちゃ少ないし、そりゃお高いわ!」とお解りいただけるかと思います。
そんなこんなな理由から、なぜ金・銀・銅が勝者の証として選ばれたか、またその順番が決まった理由がわかってきます。
メダルって大変なのね
超!余談ですが、メダルに関してこんな逸話もあるそうな。
え、ズレてね?
1896年の第1回アテネ大会では財政難で
- 1位 銀メダル
- 2位 銅メダル
- 3位 賞状…だったり何もなかったり
と、所説あるそうです。
1位からいきなり「!?」ってなるやつ
待てど暮らせど
そして迎えた第2回パリ大会。
陸上競技のみに金・銀・銅メダルが贈られたものの、製作が間に合わず本人の元に届いたのは2年後だとか…。
もはやもう1回オリンピックやっている頃に届く訳ですね。はっはっはっは…
みんな仲良く!メダルづくりの決まり
時は流れて現在。
1位・2位のメダルは少なくとも1000分の925の純度の銀製で、1位のメダルは少なくとも6グラムの純金で金張りなんですって。
世界経済色々あるからでしょうね…。こうして世界で平等に規定されていることに世界平和も感じます。
こうやって決めないとドバイとか絶対「別に3位まで金で作ってメッキしてやろうか?え?」とか言い出しそうです(イメージ)。そんなことしたら他の国から「こんのぉ、ブルジョアがっ!!!!」ってオリンピックが始まる前にケンカになりかねないですから。差がないほうがいいでしょう。みんな仲良くね。うん。
今日の色彩知識とメダルのうんちく、まとめ
- 色の見え方にはその物体の光沢も大きく関係する
- 金・銀・銅はそれぞれ黄色・灰色・茶色がピッカピカになった姿
- 紀元前から自然の中で見つけられた金・銀・銅が加工のしやすさ等からメダルの元になった
- 1、2、3位の順番はその希少性から決まった
- オリンピック第1回や第2回ではまだ、当たり前にメダルがもらえるわけじゃなかった
え?この後の予定ですか?祝賀会です。ビールかけです。中学生のころはできなかったのでね。時間差で。
そういえば、ビール瓶は茶色ですね。「海外のは緑だけど」とか言う人はバレンタインの話でも「海外じゃ逆なんだけどね」とかいうタイプでしょう。
さて、宴もたけなわ。また別のお題でお会いしましょう!
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